メーカーの導入事例

輸送用機械器具の製造・販売を行なっている一企業の場合をご紹介します。同社は創業80年を迎える歴史ある企業で、その独創的な発想と技術力をもってクルマの重要部品に大きな強みがあり、鍛造から組立までの一貫生産をされている企業です。工場内の自動化にも早い段階から着手し、製造工程のほとんどは自動化されていますが、最後の「出荷検査」だけは自動化されず、熟練社員による目視検査が現在も続いています。そこで同社は、AI企業と組んで、ディープラーニング技術を導入し、最終検査を自動化するための実証実験に乗り出したのです。具体的には、同社が製造する一部重要部品に狙いを定めました。クルマにはディファレンシャルと呼ばれる部品がタイヤのそばについていて、クルマがカーブしやすいように左右の車輪の回転を調整しています。そのディファレンシャルを構成する部品の一つを、同社では世界規模で生産しています。対象部品の不良品率はきわめて低く、0.002%とのことでした。同社では国内で月産130万個をつくっていますので、検査段階で 1日に1個の不良品が出るかどうかという、きわめて高い精度でつくられているものです。この部品の欠陥としては、キズ、シワなど、たくさんの種類があります。これらの欠陥を見落とすと、クルマに異音、異常振動が起き、さらには破損などの重大事故につながる危険性をはらんでします。このために、すでに製造段階で0.002%という高精度で厳格に製造され、さらにその不良品を最終検査で見つけているということです。この最終検査が、人による目視検査であるため、いくら熟達した社員であるとはいっても、膨大な量を全数検査する必要がありますから、かなりのハードな作業を課していることになります。そこで人手に頼る検査から、なんとか自動化できないかというきわめて自然な発想からでした。

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